沿 革
就 職
「面白くなかったら辞めればいい。」
2012年。工業高校の機械科を卒業した私が、そ
んな軽い気持ちで就職したのは大阪市内のとある
鉄工所でした。そこには高校の実習とはまるで違
う、実務でしか得ることのできない感動があった
のです。
金属が溶けて接合される瞬間に放たれる強烈な閃
光。溶接面越しの幻想的な世界。幾つもの部材が
一つに組み上がっていく様に心が躍りました。
「これなら一生やっていける気がする。」
金属加工の面白さに惹かれ、今日まで続く鉄工業
の道が開けた瞬間でした。
それからはただひたすら技術の習得に励む日々。
ところが会社という組織の中は窮屈なもので、も
のづくりに対して強い信念やこだわりを持つ私に
は決して居心地の良い場所ではなかったのです。
そしてこのまま勤め続けるのは難しいと感じた時
から独立を考えるようになりました。
独立という大きな目標を掲げたものの、当時の手
取りは13万円。高額な設備投資が必要な鉄工所
を起業するには程遠く、寝る間を惜しんで深夜の
アルバイトを二件掛け持ちして資金を蓄え始めま
した。
やがて小さな倉庫を借り、中古のボロボロの機械
を買っては独立に向けて着実に準備を進めていっ
たのです。
独 立
2016年1月。ついに創業の時を迎えます。
新たに借りた倉庫を工場に改装し設備を移設。こ
こに大道製作所が誕生しました。
同時に営業活動をスタート。不安と期待に胸を膨
らませながら自転車に跨がり、大阪市東部と周辺
の市にある鉄工所という鉄工所を片っ端から訪ね
て周りました。
当然何の実績もない私の話など誰も聞いてはくれ
ません。
その多くが門前払いで、まともに話を聞いてくだ
さったのは全体の数%程度。さらにその数%の中
からお仕事をくださったのは本当にごく僅かでし
た。
その機会を無駄にすることなく、頂いたお仕事に
は全力で取り組み一歩ずつ一歩ずつ実績を積み上
げていきました。
創業から2年程経つとお取引先も増え、コンスタ
ントにお仕事を頂けるようになりました。売上も
安定し軌道に乗り始めた頃、新たな目標を掲げま
す。
大道製作所の法人化です。
法人化することにより、今後もある程度安定した
売上を作り続ける必要がでてきます。私はこれを
自分を追い込む手段だと考え、背水の陣を敷く覚
悟で法人化することを決めたのです。
そして仕事の合間を縫って少しづつ法人化に向け
て準備を進めていきました。
法 人 化
2019年4月。法人化に伴い、大道製作所は株式会
社大道製作所へ社名を変更します。
一層士気も高まり、身の引き締まる思いで新たな
スタートを切ったのも束の間、一年後には新型コ
ロナウイルスが猛威を振るい始めます。
当初から様々な業種がその影響を受けていました
が、鉄工業も例外ではありません。
お取引先の廃業やお取引の縮小。
そんな中、幸いにも人脈に恵まれ多くのお取引先
のお仕事を請け負ってきたことと、創業当初から
変わらない「小さな仕事にも積極的に取り組む姿
勢」が功を奏し、廃業に追い込まれることなく現
在に至ります。
この先数年間は新型コロナウイルスの影響を受け
ながらの経営が続くと思われます。
弊社では常に危機感を持って仕事に取り組み、こ
の危機をお取引先様と共に乗り越えていきたいと
考えております。